「IT業界への憂い」に関する長文を書いて、しばらく旅に出ます
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Original update by tateru
この頃はコンピュータへの純粋な夢があった...
今日から海外旅行へ出かけます。
行き先はヨーロッパで、明日から28日までの日程です。いまや、どこのホテルでもインターネットの接続環境があるので、モバイルノートを持っていって接続しようかと思いましたが、せっかくの海外旅行ですので、この機会に断ネットして色々な事を吸収してこようと思います。
この間、コメント等出来ませんのでご了承願います。
本題はIT業界についてです。今までこのブログでもこの件について色々書いてきました。今回は、今までの記事を纏めつつ、IT業界への思いや、なんやかんやを書いてみようと思います。
IT業界には夢が無くなった?
結構古い本ですが、村上龍著「13歳のハローワーク」に興味深い記述があります。Q:ITに関連する仕事について、13歳の子どもたちに、どう説明すればいいでしょうか?たとえば、今、インターネット用電話回線をほとんど独占している電話会社は、ただの土管屋さんになるかもしれない。今、NTTが持っているもので重要なのは、実は、電信柱と土管だけなんです。だから10年後には、NTTは電信柱と土管の会社になっている、とかね。SEは、たとえば道路に立っている標識とか看板を描く人、みたいになっていくかもしれません。標識でも、看板でも、今はどんどん自動化されて、実際に標識を作ったり看板を書いたりする仕事はあまり必要なくなっているでしょう?
これは現在、僕がひしひしと感じている事です。コンピュータが十分過ぎる程普及し、身近となった今、それと同期するようにして「有るのが当然」と言う考えが生まれてきます。その為、新しく物を創出するよりも、インフラを維持していく方向性に流れが偏っていきます。
今後も創出する人は一定の割合で居ると思いますが、インフラ維持の人員がどんどん増えていくため、上記の例のように「IT」と言うイメージ全体が将来的には道路工事屋や土管屋のイメージへ傾いていきます。
僕は、この流れを避けることは出来ないと思います。なぜなら今までの歴史を見ると新しいテクノロジーは有る程度時間を経ると、ことごとく泥臭いイメージへ変わっているからです。電話しかり、電力しかり。これらも登場当時はかなり持てはやされたのだと思います。
どのテクノロジーにも、夢の総量が減ってしまう問題は存在します。どんな最先端技術でも一般化して、最後には普及する時代がやってきてしまいます。それは、とあるテクノロジーが十分普及し、皆が等しく便利になった事への裏返しです。
これからの子供(実際問題として僕の娘や息子)に、数年後のIT業界全体を説明する機会があったら、下記の様な事を言おうと考えています。
『未来のIT業界全体に夢は少ないよ』と。
純粋に技術的なテクノロジーに夢を見出す時期は終わりを告げ、今後は、ITを使って一体何をやらせたいのかと言う段階へと入って行きます。ITでやりたいことを作り出す人々は、IT業界の人である必要がありません。
こういった事から、純粋なIT業界に対する夢と言うのはあまり存在しなくなりました。
システムエンジニアと言う職業
そもそも、職業自体の価値、夢に関しては、『システムエンジニア』と言う職業、役割自体に顕著に現れています。主に要件定義や仕様書を書き、プログラミングを行わないのがシステムエンジニアの定義だとすれば、自ら新しいものを生み出さないと言う意味で、システムエンジニアは子ども達に夢を与えない最たるものかもしれません。すでに「インフラ維持組」の仲間入りです。
もちろん、システムエンジニアの中にも新しい技術を生み出す人はいるでしょう。しかし、全体数からの割合で、単純作業を生業とするインフラ維持のSEが増えてくれば、比率的にみて、システムエンジニア自体は、「道路工事の現場監督」と言うイメージに落ち着くはずです。
実際、新卒者から見たシステムエンジニアのイメージはそちら側に傾いているのではないでしょうか。
これが新卒者がIT業界を目指さない原因の一つだと思います。
IT業界に携わる人々が、誰かが作った道を手直ししている今の現状では、近いうち労働コスト面でオフショアに負けてしまいます。これでは、後はぺんぺん草も生えないような悲惨な状態が待っています。
IT業界の労働環境問題
子供への説明はひとまずおいといて、新卒者が敬遠する要因の一つとして、今まで書いてきたことに輪を掛け、「デジタル土方」と揶揄される労働環境悪化の問題があります。これは、いつか記事にしようと思っていた記事ですが、ここで出します。
≫ IT業界不人気の理由は? 現役学生が語るそのネガティブイメージ - @IT
「トヨタ自動車やソニーのようなユーザー企業と違い、IT(の導入)しか行っていないNTTデータのような会社が一番謎」といった疑問が出た。イメージを聞かれても、そのイメージ自体が何もないという皮肉な答えだ。別の学生からは「(情報を発信するテクノロジなのに)IT業界が何をしているのか分からないのは問題」といった、そもそも論も聞かれた。
おそらく、この問いに対するはっきりした答えは出せないと思います。なぜなら、前の節で述べたように、ITは世に十分普及していて、もはや『インフラ維持』の段階に入っています。そこへ来て、「何を作り出しているの?」と聞かれても、本音は「現状を維持している」と答えるしかない訳です。
いくつか挙げられたIT業界のイメージは実にネガティブな内容だった。いわく「きつい、帰れない、給料が安いの3K」に加えて、「規則が厳しい、休暇がとれない、化粧がのらない、結婚できない」の"7K"というイメージだ。学生は、ほかの業界と比べて「IT業界は特に帰れない」というネガティブな印象を強く持っているようだ。
IT業界がインフラ維持段階に入っている事を認識せず、危機感が無いまま現状に甘んじていると、このようなネガティブイメージは絶対に払拭出来ません。
この中でも根強い、「帰れない」と言うネガティブイメージは、おそらく帰れないのが嫌なわけではなく、IT自体の成果物がはっきりイメージ出来ず、時間を費やした分の対価が見出せないと言う事ではないでしょうか。問題は、モチベーションだと思います。ITへ携わる事に対して価値が与えられる必要があります。
下記の発言はむかむかしますね。
ネガティブイメージを突きつけられた浜口氏は、「必ずしも全員が3Kではない」と反論。岡本氏も「3Kの"帰れない"は、帰りたくない人が帰れないだけ。スケジュール管理の問題だ。
これは、思考停止の最たるものです。IT業界を牽引する重鎮としての役目は、業界に対して常に深い関心を持つことだと思います。この様な席で、自分の意見を言ってる場合じゃない。
この業界では「デスマーチ」と言う現象が時たま発生します。これはプロジェクトに携わるメンバーの思考を停止させ、時にはメンバー達を再起不能に追い込む恐ろしい現象ですが、重鎮達だって過去、一度はそのような思いをしてきたはずです。
質問した学生達だって、そのような現象は時たまが起こりうると、十分調べた上で質問を投げかけています。この場合、自らの過去の経験と照らし合わせて素直に、帰れない現状がある、と言うべきです。現実を認める事から今の労働環境の改善は始まります。無関心は一番の悪です。
じゃあ、子供たちにはなんていえば良いのさ
IT業界に興味を持ってもらった子供に対し、将来のIT業界について伝えるべき事は少なくなっています。職業として就く場合、目指す方向を指南するとしたら、下記の2つしかないと思います。- プログラマとして、可能な限りクリエイティブな職場に就く。
- ITを使って何かを創り出す?と言う、ITの枠を超えた方面に就く。
プログラミングと言う事自体に興味を持つなら、前者へ。ITを含めつつ、色んなことに価値を見出したい場合は後者へ。この中間にはあまり夢がありません。
はっきり書くと、「システムエンジニアにはなるなよ」、です。悲しいけど、これ現実なのよね。
もしくはあえて職業にせず、趣味的に関わるという方法もあります。それが一番幸せなのかも。
そういう世界に居る僕らは何をすべきなのか
今どっぷり浸かってしまっている僕らは一体何をすべきなのか。まず大切な事は、ある程度無駄な時間、または投資だと感じても、新しいことに対し関心を持ち続ける事だと思います。
たとえプログラミングを専門としないシステムエンジニアだとしても、普段PCを使っているので、アプリケーションは試せます。新しいアプリやwebサービスの噂を聞きつけたら、ベータ版の内にすぐ飛びつく様な姿勢が大事だと思っていますし、僕も可能な限りそうありたいと心がけています。
また、クリエイティブな事を作り出すにしても、メタ開発的手法を作り出すにしても、いまやITの技術だけではダメで、むしろITの枠を超えた範囲に対しても関心を持つことが必要です。
僕自身は、どんな駄文でも「ブログを書き続ける」行為がそういった事に繋がっていくと感じています。ブログで文章を書く行為は、意外に色々なスキルが試されます。
単純な文書作成能力だったり、アイデアを考え出す能力だったり、トレンドを掴んで良いタイミングで記事を発信することだったり、アドセンス広告をいかにクリックしてもらうかと言うテクニックだったり、ブログのデザイン能力だったり・・・。
ブログは単なる一例です。おそらく今の現状に甘んじている人々は、いわゆる「インフラ維持系IT要員」となり、どんどん単純作業化される今後の流れに落とし込まれていきます。そこには誰しも夢見ていたはずのクリエイティブなIT業界はありません。
あなたは自分に対して、どんな事をしますか?
最終的に、今ブログ書きに浪費してる時間を正当化させる為の壮大な言い訳でした。(笑)
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
では、旅立ちます。
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